Unity 製ゲーム、App Store アワードを席巻

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どうやら Unity は現在、モバイルゲームの分野で世界一のゲームエンジンのようです。「Game Developer」の 2012 年度調査結果によると、Unity はモバイルゲーム開発者の間で圧倒的な人気を誇っているとのこと。そして、評価の高いゲームや革新的なゲーム、あるいは圧倒的なセールスをあげているゲームの多数が Unity 採用のタイトルでした。実際、Apple の発表する「AppStore USA Best of 2012」(2012 年米国 AppStore ベストゲーム)リストには 17 本以上もの Unity 製のゲームが取り上げられています。

選出された Unity 採用タイトルは 10 カテゴリー 17 のタイトル。以下に、その一部をご紹介します。

iPad ゲーム部門(iPad Game of the Year):『The Room』 開発:Fireproof Games

トップ セールス iPhone アプリ部門(Top Grossing iPhone App of the Year):『Kingdoms of Camelot: Battle for the North』 開発:Kabam

カジュアル ゲーム部門(Best Casual Games):  『Mini Motor Racing』 開発:The Binary Mill(iPhone / iPad)、『Bad Piggies』 開発:Rovio(iPhone)

新しいプレイ方法部門(Best New Ways to Play):『Slingshot Racing』 開発:Snowbolt Interactive(iPhone)、『Total War Battles』 開発:The Creative Assembly(iPhone)、『Splice: Tree of Life』 開発:Cipher Prime(iPad)、『Tentacles: Enter the Dolphin』 開発:Press Play(iPad)、『Beat Sneak Bandit』 開発:Simogo(iPad)

注目作品部門部門(Best Showpiece Games)『ORC: Vengeance』 開発:Big Cave Games(iPhone)、『Dead Trigger』 開発:Madfinger Games(iPhone / iPad)、『Air Mail』 開発:N-Fusion Interactive(iPhone)

「AppStore USA Best of 2012」(2012 年米国 AppStore ベストゲーム)リストに選出された Unity 製ゲームの一覧は、こちら(英語)からご覧いただけます。

速さとイノベーション

新しいプレイ方法部門賞(Best New Ways to Play)受賞作を開発したインディースタジオ Cipher Prime は、従来のタッチスクリーンコンテンツの枠を飛び越え、これまで見たことのないゲームを 「速く」 作る上で、Unity を採用しました。『Splice: Tree of Life』は、絶え間なく変わる生命の海で DNA の再構築(リプログラミング)を行なっていくゲームプレイを iPad の傾きに結びつけたタイトルです。Unity は、この他に類を見ないスタイリッシュなパズルゲームの没入感を高める上で活用されました。

Cipher Prime は『Splice: Tree of Life』を 6 週間という驚異的な短期間(英語)で開発しています。「Unity に移行して以来、新プロジェクトのプロダクション期間はほとんど半分まで短縮できていましたが『Splice』はその中でも最速レコードですね」と、クリエイティブディレクターの Will Stallwood は語っています。Cipher Prime がどのようにしてこの最新ヒット作を創りだしたのか、その詳細についてはこちら(英語)をご覧ください。

小さきことは美しき哉、華めき哉

優秀作リストに名を連ねる他のタイトルと同様、美麗 3D パズル ゲーム『The Room』もまた才能あふれる小規模チームによって開発されたタイトルです。驚くべきは、本作が Fireproof Games の処女作であること、そして予算がたった 9 万ドル(およそ 8 百万円)だったことでしょう。

「とにかくこのプラットフォームでも最上級のビジュアルを持ったものを作りたい、と考えていました。でも、キャラクターや背景を作るためのリソースが足りなかったんです」同スタジオのアーティスト兼ゲームデザイナーの Mark Hamilton は語ります。

「それを認識した上で考えた結果、浮かんだのが中国のからくり箱というアイデアだったんです。箱のパネルをずらしたりするしかけは、タッチインターフェイスにピッタリじゃないかなと感じました。そこからは、僕たちのアート技術を最大限に見せられるよう、色んな木製パーツで構成されたひとつのオブジェクトに注力しました」

Big Cave Games の共同設立者である Ryan Rutherford も同様にこう述べています。「小規模チームでは、全員がすばやく柔軟に対応していっても、同じビジョンを維持したまま仕事ができます。(注目作品部門部門(Best Showpiece Game)に選出された『ORC: Vengeance』の)開発にあたってはこれが最重要ポイントでしたし、クオリティの高いプロダクトを作れたのもそのおかげだったと言っていいと思います。スタッフ 2 人と Unity みたいなゲームエンジン。それだけでも、App Store の利用者何百万人にも優れたゲームを届けられるんです」

才能に光の当たる場所を – Unity にできること

私たちは、多くの方に Unity を選んでいただき、素晴らしいモバイルゲームを開発してくださったことを心から誇りに思います。この記事を読んでくださっている貴方が、これまで Unity にもゲーム開発にも触れたことがなかったら、楽しいモバイル ゲームの開発 / 配信 / プロモーション計画を立てるなんて、と怯んでしまうかもしれません。それなら、どこから手を付けましょうか…?これをお読みになっているモバイルゲーム開発者の皆さん、もしいいアイデアや情報があったら、ぜひコメントをお寄せくださいね。

本記事はUnity3D.comの記事「Unity games sweep App Store awards」を翻訳したものです。

ニュースに  Daniel Bratcher が投稿(投稿日:2013 年 2 月 19 日)

The Butterfly Effect プロジェクト

アムステルダムでの Unite 2012 で紹介された The Butterfly Effect のアニメーションが、あっという間に大きく広がっています。最初に動画として公開された本プロジェクトでしたが、基調講演では初となるエンジン上でのデモが行われ、会場を訪れた方は最先端のビジュアル表現を実現するための今後の方向性と、改良されたツールの一端を実際に目にしました。

このプロジェクトは、ビジュアル表現における Unity の能力を Unity コミュニティの皆さんに見てもらうべく立ち上げたものです。私たちは、Unity というエンジンをさらに進化させたいと考えています。そのために実務プロセスから学習し、改良すべきポイントを特定し、次の、そして未来の Unity をかたち作っていきます。さて、今回公開されたメイキング動画の内容の通り、Unity は今回の試みから実に多くのことを学ぶことができました。

このプロジェクトについて「なぜ Passion Pictures 社と協力することにしたのか?」という質問が多くの方から寄せられています。この質問はおそらく、同社がビデオゲーム業界ではなく、いわゆる CG アニメーション業界のスタジオであることに由来するものでしょう。しかし、Passion Pictures 社がビデオゲームと離れた分野で実績あるスタジオであったこと、そしてリアルタイムレンダリングの経験が無かったことこそ、私たちが一緒に作りたいと考えた一番の理由だったのです。私たちは、同スタジオにおける従来のアニメーション制作プロセスこそが Unity に新たな視点を提供してくれると確信していました。その確信は実際に正しく、業界外のスタジオに新たな知見を求めるという決断はこれ以上ないほどの成功につながりました。たとえば、コンパイル不要でプレビューできるエディター上でのライブスクラブ機能や、ゲームビュー上でシーンカメラをプレビューする機能もプロジェクトの大きな成果の一部でした。これらは今後の Unity プロダクトを考えていく上で非常に有益なアイデアとなりました。

また Passion Pictures 社との協力を通じて得られたのは、新しいツールのアイデアだけではありません。彼らからは、確立されたスタイルを持つアートやコンテンツを生み出すための技術もしっかりと教わりました。私たちはこれ以上、宇宙海兵隊や荒廃した未来世界を生み出したいとは考えていません。もっと私たちが感情移入できる、えぐりこむような斬新さを持ったものを生み出したいのです。また今回は、動画の意図するところをより十分に伝えるため、キャラクターデザインと関連テクノロジーについても力を入れています。重要度の高いフェイシャルアニメーションのブレンドシェイプから、ツイてない主人公に命を吹き込むスキンシェーダーまで、技術の粋を集めてじっくりと作り込みました。

毛の表現には Nvidia 社からの協力を得て、限界ギリギリまでテッセレーションを活用しています。主人公の髪の毛から素敵なウサちゃんスリッパまで、その成果は動画でご覧いただけると思います。また Nvidia 社のおかげで、主人公の「風になびく髪の毛」モーションを追加制作することもできました。ここは各シーンのクオリティをぐっと引き上げてくれたと思います。

この他にも技術的に面白いことを色々と詰め込んであります。たとえば、低コストでより優れたライティングとシャドウを可能にする新しいライトマッピングソリューションや、アーティストとプログラマーの両方がより微細な制御をできるようにするツール、多種多様な素材タイプに対応しオフライン CG 分野で普及している Mental Ray Architectural ライブラリに着想を得た物理ベースの新シェーダー、より堅牢な素材インスペクタツール、ライトプローブに似た高パフォーマンスのリフレクションを可能にするプローブ (最後の巨大火砕爆発で使用) などがその一例です。

さて、今回のプロジェクトで学んだたくさんのことは Unity 4.x 以降に生かされていくわけですが、Unity 4.0 の DirectX 11 サポートの効果は即座に実感していただけますので、ポストエフェクトのクオリティ向上にぜひご活用ください。

Unity が Passion Pictures 社と Nvidia 社の協力を得て完成させた「The Butterfly Effect」。上の動画がそのメイキングです。ぜひご覧ください。それから完成版のショートムービーは下記からご覧いただけます。

動画「Butterfly Effect」の詳細については、http://japan.unity3d.com/promo/butterfly/ をご覧ください。

本記事はUnity3D.comの記事「The Butterfly Effect Project」を翻訳したものです。

デモ, チュートリアルとヒント, 技術解説, Unity 製品およびサービスに Renaldas Zioma が投稿(投稿日:2012 年 11 月 7 日)

“Hello, Unity!”

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はじめまして! 今年の元旦よりユニティ・テクノロジーズ・ジャパンに合流することになった、コミュニティエバンジェリストの 小林 信行 です。
すでに何回か fuZe powered by Unity でもご挨拶したことがありますので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
今後ともよろしくお願いします!

前職では、主に PSP や PS3 プラットフォームをターゲットに、ライノベ系のキャラクターゲームを企画しては、監督をしていました。
こちらとか、こちらのようなゲームです。
今このブログを読んでくださっている方にも、遊んでくれた方もいらっしゃるかもしれませんね。本当にありがとうございます。

さて、こんな僕がどのような経緯でユニティ・テクノロジーズ・ジャパンに合流することになったか、今回は書かせていただきます。

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Unite Japan スポンサー募集とセッション公募開始のお知らせ

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日頃からUnityをご愛用いただき、誠にありがとうございます。

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンでは4月15・16日に開催されるカンファレンスイベント「Unite Japan」に向け、ご協賛いただけるスポンサー様の募集を開始いたしました。

Unite Japanスポンサー募集のご案内

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Unity 4.0 で Adobe Flash Player へのエクスポートが可能に

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作業に注力するあまり、Adobe Flash Player への投入用アドオンの進捗をお伝えするのがしばらくぶりになってしまいました。幸い、お届けするのは朗報で、万事順調です! 当初、4.0 のリリースには間に合わなさそうに思えた要素を多数、盛り込むことができました。

2012 年の初め頃、Flash へのエクスポート機能を Unity 3.5 のアップデートに同梱のプレビューとして少しだけお見せしました。あのツールのリリース版が Unity 4.0 にしっかり同梱されてリリースされました! チーム一同、Unity を Adobe Flash Player 向けの開発パスに最適なエンジンたらしめるため尽力できたことを誇りに思っています。

Unity Editor とエンジンの性能により、Flash 版リリースへの円滑なワークフローが実現しました。Unity 4.0 が無事にリリースされましたので、そこに同梱されている Adobe Flash Player へのエクスポート用ツールの大きな見どころをいくつかご紹介させていただきます。これまでは Flash を使う開発者には容易には手に入らなかったものが多数含まれています。

Mecanim
Unity 4.0 で新たに追加されたアニメーションツールは統合開発環境としては前例のない高性能となっています。3D の Flash ゲームの制作において、滑らかでリアルなアニメーションの作成に大いに役立つでしょう。

Shuriken
3.5 へのアップデートで Unity に導入されたパワフルなパーティクルエフェクトシステム 「Shuriken」 へのスクリプト経由でのアクセスを可能にしました。パーティクルの地形衝突を含め、4.0 で改良されたすべての要素が Flash Player にも対応しています。

Navmesh
優れた AI 経路探索ソリューションにより、複雑な地形内の動的なキャラクターナビゲーションを臆することなく作り出すことができるでしょう。

PhysX
Nvidia 社の物理演算ソリューションは、現在市場に出ているものの中で最も高品質で、最も普及しているものです。ゲームの臨場感を高めるのに非常に有用な方法が使用可能になるのに加え、物理演算ベースのゲームプレイメカニクスへの新たな扉が開かれるでしょう。もちろん、プロジェクトに物理演算が必要でない場合、ビルドから取り除くこともできます。

Umbra
オクルージョンカリングはパフォーマンスを維持しつつ精緻で複雑なゲーム内環境を生み出すのに重要なツールの1つです。Umbra の OC ソリューションは業界随一の性能を誇ります。

静的・動的バッチング
Flash Export ではバッチングに対応しています。可能な限りバッチングを使用することで、ドローコールの回数を減らし、レンダリング速度を向上させます。

ハードウェアカーソル
Unity 4.0 では要望の多かったハードウェアカーソルを実装し、4.0 の Flash Export ではデフォルト状態で使えるようになっています。カスタムカーソルを滑らかに動かせます。

WWW と アセットバンドル
Flash はシーンのストリーミング向けに WWW およびアセットバンドルに対応しています。注: Flash Player 11.4 を使用する場合、アセットバンドルには高速解凍パスが使用されます。

ダイナミックフォント
Unity 4.0 では Flash を含む全プラットホームでダイナミックフォントに完全対応しています。

スクリプトへの対応と認証
Unity Flash Export は自動的に C# 変換を行ない、スクリプトも内部ですべて ActionScript に自動変換します。3.5 でプレビューをお見せして以降、.NET API およびコンストラクトへの対応を増やし、ジェネリックへの対応も大幅に改良しました。総じて、3.5 でのプレビューに比べてスクリプト面のサポートは大幅改善しました。LINQ や、その他の .NET 機能など、まだ未対応の API もいくつかあります。

デフォルト状態であらゆるものを変換できるわけではありません。スクリプト認証およびメッセージング機能を追加することで未対応の API の使用箇所を検出して置換する一助としました。また、ActionScript のファイルや SWC を投入することでネットワーキングやビデオ再生など、Flash 固有の機能を追加することや、UnityEngine.Flash.ActionScript API を使って C# から ActionScript 機能に直接ブリッジングすることも可能です。

シェーダーから AGAL への自動変換
スクリプトの自動変換と同様に、シェーダーも自動的に Adobe Flash の AGAL 形式に変換されます。
“ここでは Flash Export でご提供する要素の一部だけをご紹介しましたが、見どころはまだまだたくさんあります。ライセンス比較表の機能比較表をぜひご覧ください:
http://unity3d.com/unity/licenses

Unity 3.5 では Flash はどうなるの?
Unity 3.5 同梱の Flash Export のデベロッパー向けプレビュー版はしばらくサポートなし、アップデートなしのままとなっていますが、現時点ではまだご利用いただけます。そちらはサポート対象外のプレビュー版であり、変換時の問題やバグが多数発生する可能性が高いことをご理解ください。このたび Flash Export が Unity 4.0 と共にリリースされましたので、プレビュー版はいずれかのアップデートの際に Unity 3.5 からは削除される予定です。

本記事はUnity3D.comの記事「Adobe Flash Player Export in 4.0」を翻訳したものです。

Unity 製品およびサービスに Ralph が投稿(投稿日:2012 年 11 月 16 日)

「1 週間で作ったゲームが大きな力に」キャンペーン

この記事は Reddit を読んでいた時に見つけた記事を読み(同僚の Jay Santos に感謝)、どうしてもブログに起こしたくなって書いたものです。Tyrus Peace 氏はゲーム開発者兼アーティストで、Unity を使って『Hell Bear 2000』という素敵なアクションシューティングを開発しました。いいえ、一週間のゲームジャムではありません。友達の Daniel が患っている脳腫瘍に対する関心が高まればと、このゲームは作成されたものなのです。病床にある友達のために関心と資金を集めるべく、ゲームを作る。私たちは、彼の献身とクリエイティビティに強く感銘を受けました。しかもゲームだってステキなのです。キューブ風で洗練されたアートスタイルをぜひ見てみてください。

ゲームが気になったら Reddit で Tyrus さんのリンクをチェックしてみてください。そして Daniel さんを支援したいと思ったら、http://help-daniel.com にアクセスして友人にもシェアしてみてください。

本記事はUnity3D.comの記事「Game in a week helps campaign」を翻訳したものです。

 

コミュニティーニュースと情報  Will Goldstone が投稿 (投稿日:2012 年 11 月 6 日)

Unity 4.0 のテスティング

Unity 4.0 の機能や良いところ、みなさん見ていただけたでしょうか。今日は Unity 3.5 のリリース以来、Unity の品質保証 (あるいはテスティング) がどのように始まり、そして進化してきたかについてお話してみたいと思います。

2012 年 2 月に Unity 3.5 を送り出した時、品質管理部はマネージャーの私自身 (特技は何もしないこと) を含め 11 人でした。3.5 のリリースまで、私たちは激しい戦いを続けてきていました。主に、親愛なるコミュニティから寄せられるバグと格闘していたのです。言い方を変えると、私たちは基本的に「反応的」なアプローチを取っていたわけです。もちろん私たちは Unity コミュニティのことを誇りに思っていますが、コミュニティにテスティングのほとんどを任せてしまっていたことについては誇りには思えませんでした。それにユーザーベースが堅調に大きくなっていけば、「反応的」なアプローチでは長期的に拡大することはできません。

手動テスティング

3 月、私たちは NinjaCamp を利用し、じっくり 1 週間かけてさまざまなテストケース管理システムを試してみました。そして各システムを試した結果、私たちは QMetry と恋に落ちました。軽量なシステムで、レポートと追跡機能についてしっかりと私たちのニーズを満たしていたからです。

テストケース管理システムを導入した私たちは Unity 全体を網羅するために必要な数のテストケースをシステムに登録するべく、1 ヶ月かけてテストケースを作りました。もちろん、すべてを網羅するには人員不足だったため、完ぺきというわけにはいきませんでしたが。その後まもなく Unity 4.0 のフルテストパス 1 (さまざまなプラットフォームに向けた手動テストケースをすべて実施するフェーズ) があり、多数の対応プラットフォーム向けに 480 のテストケースを実施。結果として、テストパスにおける合計テストポイントは (ひとつのプラットフォームに対するテストケースひとつで) 3000 ポイントを少し下回る程度になりました。特定の分野を厚くテストしすぎている一方でまったく対処できていない部分もありましたが、完成していない以上必然ですし、それには納得でした。

2012 年の夏になると Unity 4.0 で導入された新機能にも慣れてきたので、私たちは手動テストケースの作成にさらに注力しました。この時点で一部のテストケースを自動化したり、あるいは自動化済みだったりしていましたが、当然その過程で新たに追加されるテストケースもありました。また同時期には、日々コミュニティから寄せられる事案の対応を任せられる優秀な学生スタッフが十分に集まり、STE (ソフトウェアテストエンジニアについては以前の記事「Testing Unity」をご覧ください) たちが体系的なテスティングに専念できるようになりました。その結果として、8 月に行われたフルテストパス 2 では 600 を超えるテストケースを実施するに至りました。不運にも、さまざまな事情が重なり Unite の 1 週間前に開始することになってしまいましたが、予定していた 2800 テストポイントの半分を終了し、5 日間でおよそ 100 個のバグを発見できたので成果は上々だったのではないかと思います。

その後はリリースに向けて、RC1 の直後にフルテストパス 3 を計画しました。しかし、最初に RC1 に対してスモークテストを実施した際に当該ビルドからは有効なデータを得られないことが判明したので、結局フルテストパス 3 は開始を一週間遅らせることになりました。フルテストパス 3 の直前、STE たちは必要なテストスイートをすべて準備して QA メンバーに割り当て、さらに特定のメンバーに負荷が集中しないよう配慮するなど実に見事な事前準備をしてくれたので、開始週の月曜朝イチからテストを開始することができました。テストケース総数は重複なしで 800、テストポイントは 2800 にもなりましたが、皆の尽力のおかげで 5 日間でほぼすべて実施できました (18 個の例外はありましたが)。その結果 90 個のバグを発見していますが、その多くはもう修正済みです。

この「フルテストパス」は、私たちが Unity のテストに用いる体系的アプローチのひとつです。この他にも、私たちの道具箱にはさまざまなツールが揃っているんですよ。テストパスで見つかるバグの多くは、別の手法を使っていたり、送られてくるバグを見ていたりするだけでは絶対に見つけられない類のものです。コードに潜む問題を発掘するために欠かせないしくみで、回帰テスティングにも有用です。

また 4.0 のテストでは、QA チーム全員が探索的テスティングだけに集中する週を何度も設けました。「探索的テスティング」と聞いて、よーいドンで席についてランダムに操作するだけのテストと思った貴方、それは大きな間違いです。準備に手間がかからないと言っても、「準備は必要」なのです。まず、注力すべきエリア、そのエリアに対して用いるテスティングの種類、を選ばなければなりません。そこで初めてテスティングを始め、1~2 時間集中してできる限りバグを探すのです。この手法では、体系的なテスティングからでは決して見つからない種類のバグがたくさん見つかるはずです。補完的な用途で、またはドキュメントが揃っていなかったり特定の機能が不安定だったりする場合に使うととても有効です。

自動化

私たちにとって 2012 年は、自動化が大きく進んだ年でした。過去に開発チームが作ったものは自動化を始めるにあたりちょうど良かったのですが、フレームワークの部分にまだ少し「愛」が足りていませんでした。それに、私たちとしては一部のテストケースについて古いフレームワークからより新しく高速で軽量なフレームワークに移行したいと考えていたのです。そうして改良された新しいランタイムフレームワークには、全プラットフォームで実行される、という優れた特長があります。ひとつテストケースを書けば、ターゲットすべてでコードが実行されるわけです。これは、対応するプラットフォームがそれぞれ異なるコードベースと複数の define で構成されることを考えれば極めて重要なメリットです。

さて、フレームワークの変更に着手したのは Unity 3.5 の作業が終わる直前でしたが、ツール作成担当が 2 人だけだったのでスロースタートでした。続いて 5 月、テストチームに優れた人材をたくさん集めることを主目標に掲げ、私たちはウクライナのオデッサに新オフィスを開きました。ウクライナのテスター市場はかなりレベルが高く、私は過去にもウクライナで STE や SDET (テスティング分野のソフトウェア開発エンジニア) を採用し、優秀で助かった経験がありました。その後夏から秋にかけてオデッサチームに 6 名を採用し、一人は今ツール作成担当と協力して仕事にあたってくれています。おかげで自動化とフレームワークの改良を進める力が飛躍的に向上しました。

そして Unite の終了後、私たちは自動化拡大の「テコ入れ」を開始しました。ツール作成担当の協力を得ながら、品質保証部がほぼ総出で自動テストケースを追加したのです。また SDET は相互コードレビューを開始し、結果としてテストケースは順調に増えて行きました。自動化についてもう一点興味深かったのは、開発期間中に自動テストで見つかるバグの種類は、先述の手動テスティング手法 2 種類で見つかるバグとは異なるということでした (当然ながら、入力値と結果予測については極めて細かく考えなければなりません。細部こそが重要だからです)。これはあまり知られていませんが、自動化がもたらしてくれるおまけ的メリットです。私たちは「テコ入れ」の際にそのメリットを目の当たりにしました。自動化を進めた最大の理由は、間違いなく「ビルドに対して回帰テスティングを実施する」ためでしたが、それ以外にもメリットがあることを知れたのは実に良かったと思います。

自動化の取り組みは継続中で、今後のリリースに合わせて更に進めていきます。その時には、また細かなデータをここに投稿する予定です。

寄せられる事案について

さて、「反応的」アプローチから「能動的」アプローチに切り替えた結果、ユーザーから寄せられる事案への対処がおろそかになったのでは、と思われるかもしれません。真実を述べると、Unity 4.0 がベータに移行してから向こう、Unity 3.5 について寄せられた事案の大半に対処していません。公開バージョンに対して寄せられる事案については問題が複数あるのですが、大きなもののひとつに「寄せられるバグレポートの質がかなり低い」というのがあります。レポートのおよそ 9 割が対応を開始できるバグではなく、これはクローズド β 時の対応を開始できるバグの比率 6~8 割と比較すると顕著な差です。私たちがアプローチを変更した理由もここにあります。もうひとつの理由としては「最新版優先」という点があるでしょう。今だと、4.0 のバグのほうが修正される可能性が高い、ということです。テスティングという仕事は、無限の可能性の中で労力に対する優先順位付けをどうするか、ということに尽きますから、必然、現行リリース版にシフトしていくことになります。

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最終的に、私たちは Unity 4.0 リリースのパブリック/ベータテスターの方から寄せられたレポートの 97% を処理できました (チームを誇りに思います)。言い換えると、ベータ中にバグを報告してくだされば、そのバグは必ずチェックされる、といっていいかもしれませんね!実は、バグを報告してくださった方から驚かれることもあるんです。報告してくださったユーザーに詳細情報を求めて連絡すると、「うわ、こんなバグ誰も気にかけてくれないと思ってたのに」と言われることもけっこうあるんです。

はい、気にかけますとも!心の底から凄まじく気にかけますよ。

Unity 4.0

さて、Unity 4.0 がリリースされました。リリースできたことを嬉しく、また誇りに思います。でも私たちは品質保証部です。リリース前に、私たちが見つけたバグの多くはリリースに際して重要性が高くないという理由でスルーされています。ソフトウェア開発の現場ではよくあることではありますが、品質保証部のメンバーならどうしても気になるものです。それでも、これまでのどのバージョンよりも高品質な製品をリリースできたと信じています。何より、素敵な新機能も入っていますしね。

今回のリリースでは 1800 個以上のバグが修正されました。うち 481 個が過去バージョンで見つかったものですから、既存の機能についても結構な愛が注がれていますよ。なお、合計 1860 個のバグのうち、673 個はユーザーの皆様から報告いただいたものでした。

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Unity の品質管理部では、今次にリリースするバージョンに注力していくところです。追加された新機能をしっかりとテストし、さらに自動化を進めて、ユーザーの皆様が先祖返りしたバグに悩まされないよう対応していきます。もし私たちの仕事に興味を引かれたなら、ぜひ http://www.unity3d.com/jobs にアクセスして、求める職種がないかチェックしてみてください。

本記事は Unity3D.comの記事「Testing Unity 4.0」 を翻訳したものです。

企業ニュースと情報 Thomas Petersen が投稿(投稿日:2012 年 11 月 14 日)

Microsoft Build カンファレンスより:Unity と Windows Phone 8!

2012年10月30日、Microsoft 社がワシントン州レドモンドの本社キャンパスにて開催した Build デベロッパーズカンファレンスにおいて、Unity ビジネスデベロップメント部門の上級副社長、Tony Garcia がモバイル部門の基調講演に登壇しました。講演では Windows Phone 8 に向けた Unity の取り組みをデモを交えて紹介。Unity 未導入の開発者と利用中の開発者に向けて、Unity が同プラットフォーム向けゲーム/アプリの開発をどれほどパワフルにサポートするかを示しました。

講演では、Tony のスピーチに合わせてフィールドエンジニアの Corey Johnson が Madfinger Games 社の『Shadowgun』プロジェクトを用いて Unity の開発環境を実際にデモしました。短いデモではありましたが、Unity に馴染みのない (会場内とオンラインの) 聴講者に向けてツールの機能性、汎用性、効率性をしっかりと紹介しています。デモでは、Unity のプロジェクト内で簡単にプラットフォーム固有の変更を加えて Windows Phone 8 向けにビルドできることを紹介しました。

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最後には『Shadowgun』を Windows Phone 8 搭載デバイス上で実行させました。首尾もバッチリ、完ぺきでした!

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『Shadowgun』、『Ski Safari』、『Temple Run』などUnity 採用の名作タイトルが Windows Phone 8 で遊べるようになることを考えると、Windows Phone 8 の立ち上げからしばらく、このプラットフォームにおける Unity の役割が重要になるのはおそらく間違いないでしょう。上述のとおり、私たちは今 Windows Phone 8 用開発アドオンをみっちり開発中です。『Shadowgun』のレベルデモでお見せした通り、順調に進んでいます!

それから、Build カンファレンスでは Unity はブース出展もしていました。ご来場の方には Windows Phone 8 と Windows 8 に向けた Unity の取り組みをしっかり見て頂きました。

本記事はUnity3D.comの記事「Unity Windows Phone 8 at Microsoft Build Conference!」を翻訳したものです。

イベント, 技術解説 Dan Adams が投稿 (投稿日:2012年10月30日)

グローバルゲームジャム2013参加レポート

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Unityブログを閲覧いただいている皆さん、はじめまして。1月に入社したユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの染谷翔です。

以前はゲームの企画・制作進行をしていたのですが、ここ数年はフラフラと海外放浪しておりましたところ、このたび事業開発担当として仕事を引き受けることとなりました。今後ともよろしくお願いいたします。

さて、聞くところによると僕が社会からドロップアウトしている間にゲームジャムなるイベントが一部の業界関係者の間で流行しているとのこと。各地から集まったエンジニアや学生が即席でチームを組み、約2日間という短い時間でゲームを一本作るというイベントをゲームジャムと呼ぶのだそうです。中でも世界規模で同時開催されるグローバルゲームジャムGlobal Game Jamが、2013年は1月25日(金)から27日(日)に開かれるそうで。

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