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こんにちは、Unityの染谷翔です。1/19(日)に株式会社カプコン主催の、学生向けのインターンシップ・プログラム『業界サバイバルシップ2013 決勝プレゼン』が開催されました。このプログラムは全国から選ばれた50名以上のゲーム業界志望の学生が6つのチームを組み、それぞれ約2ヶ月で1本のゲームを開発して発表するというもの。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンからはゲーム開発に必要なUnityライセンスの貸与という形で協力させていただきました。

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会場は秋葉原駅前にある秋葉原コンベンションホール。午前中の予選発表会で2チームが残り、決勝を残すのみとなりました。

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休憩タイムはゲームの試遊時間でもあり、決勝に進んだチームからはうっすらと緊張が伝わってきます。

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審査員を務めるのは株式会社カプコンの取締役・専務執行役員の山下佳文氏、第三開発部長・モンスターハンター4プロデューサーの辻本良三氏、第二開発部副部長・モバイルアプリ開発責任者の中川裕史氏、の3名。いずれも同社のゲームビジネスの第一線で活躍する方々を前に、学生達も気を引き締めます。今回発表されるゲームはいずれもUnityで開発されており、マウスで操作して遊べることが開発の条件としてカプコンから提示されていました。

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まずは東京①チームによる作品「わちゃわちゃ」。

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ゆっくりと攻めてくる敵を迎え撃つ、タワーディフェンス型の戦略ゲームです。星座をモチーフにしたキャラクター、世界観で30代女性をターゲットとしているのがポイント。

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プレイヤーはマウスで「わちゃ」のグループを動かし、左側から敵に攻撃して侵攻を阻止するというもの。敵が画面左端にあるダメージラインに到達するとモンスターからのダメージを受けHPがなくなるとゲームオーバー。落ちている星を拾うことでゲージがたまり、任意のタイミングで使っている「わちゃ」それぞれの特殊技を発動することができます。

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発表ではゲーム内容のほか、実際にリリースした際のプロモーション計画が丁寧かつ詳細に語られました。

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また、販促商品の展開イメージとしてフィギュアやストラップの試作品も制作。

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続いて東京③チームによる作品「Ghost☓Haunt Hunting」。

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マウスのポインタがライトとなっており、画面の暗がりに光を当ててゴーストを見つけ出し、一定時間ライトを当てて追いかけるとゴーストを封印して倒すことができます。

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プレイ時間はだんだん減っていきますが、ゴーストを封印するたびにプレイ時間を延長することができます。プレイ時間がなくなるとゲームオーバー。ポップホラーを世界観としており、簡単操作で10代の女性をターゲットとしていました。

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こちらのチームも淀みのないプレゼンテーションで、ターゲット層に向けたプロモーション計画のほか、キャラクターや封印したゴーストをシールとしてコレクションし、それを元にしたシールブック・コンテストを開催する計画が語られました。

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今回の開発に携わったメンバーは、いずれも学校に通いながら帰宅後の時間を使って、プログラムやデザインなど各々に課せられた作業を進めてゲームを開発したとのことです。

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どちらのチームも学生が余暇を使って制作したとは思えないグラフィックで、独特のファンタジックな世界観を構築しており、ひと通りプレイしてもプログラムのバグや表示がおかしくなるようなことはありませんでした。

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審査の結果、優勝は東京③チームによる作品「Ghost☓Haunt Hunting」に決定!

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3名の審査員からは学生達に向けて良かった点、悪かった点が語られました。中川氏からは「両チームともにプレゼンが素晴らしかった。プロの開発者にも見習ってほしいくらいのわかりやすく、非常にレベルの高いプレゼン能力があった」「若者らしい感性で描かれたキャラクターデザインや世界観が良い」「限られた期間でゲームをまとめていた」ことを評価しつつも、『わちゃわちゃ』には「30代女性向けのタワーディフェンス型のゲームとしては、ターゲットに一見して面白さが伝わらないと思う。プレイして数分で面白さがわかるようにしてほしい」「ゲームを単純に先に進めるために課金させるというのは弱い、課金させるためのコンセプトづくりを掘り下げてほしい」との意見。『Ghost☓Haunt Hunting』に対しても「プレゼンされた『探して見つけて』の遊びの部分がステージ1の段階、プレイしてすぐに伝わりきっていない」と同様の意見を述べました。

「どちらもプロモーション計画として季節のイベントなどを盛り込むことが発表されたが、それらはどんなゲームでも展開できること。それぞれのゲームならではのプレイを継続させるための計画を掘り下げてほしかった。ユーザーの関わりあいの部分も大事だがゲーム自体の魅力も当然のことながら大事。プロのゲーム開発者を目指すなら、その両方を考えていけるように」と総括。

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続いて辻本氏からは、中川氏から出た意見に賛同しつつ「一見ゲーム開発に関係ないことだが、ゲームの内容を伝えるというプレゼンはとても大事なことで非常に良かった。いろいろな質問を想定していたのだとは思うが、審査員からの質問に対して間を置かずにしっかりと回答できたことはとても素晴らしい。開発メンバー間でイメージの共有ができていたことはとても重要」としながら、『Ghost☓Haunt Hunting』には「ゲームを進める上で『成功』したときの見た目の演出をもっとわかりやすく」「(ゲーム内容の)シンプルさをどう回避するかを考えてほしい」、「(コレクションで得た)シールを人に見せたくなる、自慢したくなるためにはどうしたらいいかを考えていってほしい」との意見を述べました。

『わちゃわちゃ』に対しては「わかりやすさが重要になってくる。ゲームを始めたときにプレイヤーが何をどうしたらいいか、視覚的にすぐ理解できるようにすることが大事。新しい敵が出てきたらこういうことをしてきそうだ、という部分が見た目にもわかると良い」とのこと。最後に両チームに対して「発表時にゲームのキャッチコピーをもってきて、一瞬にしてどんなゲームかがわかるように。ユーザー視点に立ってみたときにゲームやビジネスモデルの内容が本当に伝わるのかを考えて。今後も新しい世代ならではのセンスを大事にしてほしい」と語りました。

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山下氏からは「決勝の2作品に大きな差はなかった。学生が2、3ヶ月で作った作品としては、時代が時代ならヒットしたかもしれないと思わせる力があったが、今の商業レベルの観点でみると、ゲームとしての面白さの表現では当然ながら不十分。今回のプレゼンはビジネス寄りの内容に感じた。それはもちろん大事なことだが、ゲームビジネスを成功させるためにはまず面白さを深く掘り下げることが大事。ビジネスプランから面白さを考えるのでなく、まず面白さを徹底的に追求することを考えてみてください」と締めくくりました。

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今回は株式会社カプコン主催のインターンシップ・プログラムでしたが、参加した学生達はゲーム開発に対する意欲やアンテナ感度が高く、プロの現場を想定した制作やプロモーション内容を企画していたほか、Unityをはじめ新しいツールや集団での開発作業にも非常に前向きに取り組んでいた様子です。

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今後もこうした学生や若手開発者の活気が形になるようなイベントが開催されていくとよいですね!

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